2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本型NHS(国民保健サービス)制度構想に向けた基礎的研究
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22730046
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
国京 則幸 静岡大学, 人文学部, 准教授 (10303520)
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Keywords | NHS / 最低限生活保障としての医療 |
Research Abstract |
平成23年度は、英国NHSの提供体制についての研究を行った。 1.NHSの全体像(個別機関の意義・役割や全体の中での位置付け)を明らかにすること、 2.現在の制度に至るまでの改正の経緯を根拠法令等によって明らかにすること、 を、基本的な柱として、法令、資料、文献によって研究を進める計画であり、研究の進捗状況について研究会で適宜報告を行ってきている。 イギリスNHS制度変遷の概略、NHSの全体像の大枠は把握し、比較研究の基礎資料となる論説の執筆に取り掛かっている(あわせて、研究成果の一部を『世界の医療保障』(法律文化社)(現在執筆中)にて公表予定)。また、日本型NHS構想に向けて必要な視座として、NHSの最低限生活保障的性質がどのように体現されてきているのかに着目した分析を進めた。この点については、地方におけるPCTの果たす役割や、制度全体を支える考え方(費用負担と給付の分離=受給関係の対価関係を擬制しない点)が重要な意味を持っており、日本において各種公的医療保険と生活保護の接続の点から医療へのアクセスが阻害されうる状況の克服に向けては、この点の追究が必要であることを認識した。次年度も引き続きこの点、特に、イギリスの国民保険からの移行や、なお残っている国民保険とNHSとの関係などについても明らかにし、提供体制の全容を明らかにしたい。 本年度は文献・資料収集とその読み込みが中心となり、前提となる基礎的な作業が中心となった。次年度には、本年度成果をも踏まえた論文にまとめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
制度の全体像、機能、相互関係などについて分析予定のところ、「最低限生活保障としての医療」という分析視座が明確に設定された。しかしながら、制度の全体がかなり多岐にわたるうえ、イギリスにおける政権交代等もあり、想定していたより読み込み、分析作業に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
収集した文献・資料について読み込みを行い、全体像を描き出すための関係図や、制度の展開の理解を促す表などをまず作成し、それを踏まえて論文執筆の執筆に取り掛かる。図表はそのまま資料としても添付する。
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