2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境の不確実性と動機付けのダイナミズム:危機脱出の人的資源管理の国際比較
Project/Area Number |
22730303
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
王 英燕 広島市立大学, 国際学部, 講師 (10456759)
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Keywords | 不確実性 / 動機付け / 危機脱出 / 人的資源 / 国際比較 |
Research Abstract |
昨今、企業を取り巻く環境変化が激しくなり不確実性が高まっている。本研究は、これらの変化がもたらす危機を回避するための臨機応変かつ効果の高い人的資源管理政策を従業員の動機付けや行動の変化メカニズムを分析、及び国際比較により提案する。昨年度の研究では理論フレームワークの検討、企業インタビュー及び調査票の作成が完了している。 理論的フレームワークの検討として、環境の不確実性のミクロレベルでの捉え直し、動機付け変化のプロセスのダイナミズムモデルの構築、個人行動の変化メカニズム及び環境・動機付け・行動三要素の変化ダイナミズムを組み込む全体の理論枠組みの四つを中心に行った。企業インタビューでは、日本の製造業企業、中国にある日系製造企業と中国本土の製造業企業を取り上げ、経営層の危機的要素に関する認識と従業員の組織行動、動機付けの変化を中心に実施している。経営層に対するインタビューの結果、日本の製造業企業の危機意識は高く、中国本土の製造業企業の危機意識は低く、中国にある日系製造企業の危機意識はその中間となった。日本の製造業企業は自身の技術的優位性の維持への不安、と海外企業との競争等の要素において危機意識が高い。中国にある日系製造業企業では、安定的な雇用関係の維持、政治的なリスク、及び製造拠点の境界設計等の側面で危機意識が高い。更に、中国本土の製造業企業では高いレベルの戦略的人材確保、更なる技術向上への道、複雑な市場に対する無力感の面などで危機意識が高い。企業形態によって危機的状況への認識が異なる中で、昨年度は有効な動機付けと組織行動のポジティブな変化を導く人的資源戦略の構築についても検討した。
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Research Products
(2 results)