2013 Fiscal Year Annual Research Report
成果報酬システムと予算管理の関係が管理者の逆機能的行動に与える影響の検証
Project/Area Number |
22730373
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
福田 直樹 兵庫県立大学, 経営研究科, 准教授 (90388405)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 予算管理 / 成果主義 / 管理者 / 文化的側面 / 逆機能的行動 |
Research Abstract |
日本企業では、欧米企業と比べて相対的に、いわゆる予算管理の逆機能的行動が生じにくいといわれてきた。しかし、欧米企業に由来する成果主義が日本企業に導入されると、これまで日本企業の予算管理を支えてきた集団主義の文化と成果主義との間で一種のミスマッチが生じることになる。そこで本研究では、成果主義を導入している日本企業と導入していない日本企業の比較から、予算の性格の違いを比較することで、相対的に欧米企業のもとで適合するとされる成果主義の日本企業への導入によって生じた文化上のミスマッチが、日本企業の実践する予算管理に与える影響について考察を行った。 第1に、成果主義の導入によって、日本企業の実践している予算管理における予算の性格に変化が生じることが分かった。成果主義を導入していない企業では、中期経営計画の「マイルストーンとしての予算目標」の方に重点が置かれているの対し、成果主義を採用している企業では「個人の業績評価指標としての予算目標」の方に重点が置かれていることが分かった。 第2に、予算の機能について、成果主義の導入によって、統制機能を重視するように変化していることから、beyond budgetingでの批判が当てはまる状況が作り出されると、日本企業において予算管理の弊害が顕在化してきても不思議ではないことに言及した。 第3に、日本企業は、成果主義の導入によって、集団主義の文化、不確実性回避の文化など、従来の日本企業が有してきた文化的特徴と個人主義の文化、不確実性選好の文化にマッチするとされる成果主義の特徴をバランスさせることによって、ハイブリッドなマネジメント・システムを築き上げようとしていることが示唆された。 またあわせて、本研究を通じて、文化が予算管理のコンテクストになりうるという証拠が示され、マネジメント・システムが文化によって大きく影響される可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)