2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本型住宅システムの再編と家族生活・職業生活への影響に関する縦断的研究
Project/Area Number |
22730380
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
村上 あかね 桃山学院大学, 社会学部, 准教授 (20470106)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 社会学 / 社会福祉関係 / 住宅 / 企業福祉 / 家族と職業 / 縦断的データ / 社史 / 家計 |
Research Abstract |
本研究の目的は、住宅取得とその要因、住宅取得の生活面への影響について明らかし、政策提言を目指すことである。住宅は日々の生活の基礎であり、住居関連費は家計において大きな支出を占める。景気にも影響を与えるため研究の必要性は高い。平成24年度は最終年度であるため、これまで継続してきた質的データおよび量的データの分析結果を統合し、論文や学会報告として公表した。 昨年度に引き続きインタビュー調査の結果を分析することで、持家志向が依然として強いのは、晩婚化や親との同居規範の緩みなど「家族」のあり方が変化しているにもかかわらず、「幸せで豊かな家族」像が依然として理想であり続けていることが大きいためといえる。さらに、持家と賃貸の居住水準に大きな差があることや老後の生活保障に不安があることも住宅を取得せざるを得ない要因である。しかしながら、景気が低迷している状況において、住宅取得は家計に負担をもたらす。 ローン負担感は返済が進むにつれて軽くなるが、総じて親の援助がない家族や夫が自営・中小企業勤務者の場合に負担感が強い。これは、戦後、公営住宅の拡充を望む労働組合の運動が大きな力を持たず、大企業を中心とした企業福祉の提供による持家取得が日本の住宅システムの主流であったことと無関係ではないことが労働組合の史料から示唆される。 企業は住宅取得への関与を弱めつつあるにもかかわらず、公営住宅は減少しており、日本の住宅システムはいっそう自由主義的になりつつある。そこで、若い世代が家計の心配をせずに住宅を取得し、子どもの教育ができるような住宅政策や労働政策を検討した。 研究成果の公表に際しては、他領域の研究者からコメントを得たことで、住宅と生活に関する総合的な議論を深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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