2011 Fiscal Year Annual Research Report
特別養護老人ホーム入居家族への支援方法に関する研究
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22730445
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
井上 修一 大妻女子大学, 人間関係学部, 准教授 (20322430)
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Keywords | 特別養護老人ホーム / 入居者家族 / 迷い / 支援方法 |
Research Abstract |
入居者家族の状態不安・特性不安について、グループインタビュー前後の比較を行った。その結果、状態不安の不安得点は、グループインタビュー実施前43.4に対して実施後39.6で有意差がみられた(t=3.24,df=18,p<.01)。調査によって、家族同士がお互いの心情を語り合うことが、状態不安を軽減する可能性を示唆する結果となった。 施設ケアにおける家族支援は、援助者からの支援だけでなく、家族同士のささえあいの効果も視野にいれる必要がある。家族会に参加していても家族同士の情報交換、相互支援の場として家族会の活動が十分に深まらない場合があるため、グループインタビューを通じて迷いの共有や解消がなされるのではないかと考えた。 今回のグループインタビューによって家族同士が話し合う機会を持ち、自分だけが悩んでいるのではなく、周囲にも同じ思いを持っている人がいるという、関係の深まりを実感することができた。このことから、家族会が家族同士のサポート活動としてさらに発展できると推察された。入居者家族の支援においては、「当事者を支える家族」という視点だけでなく、家族自身が抱える「罪悪感」、「後ろめたさ」、「引け目」、「関わりへの不安」、「身内の変化を受け止めることの難しさ」など、入居者家族が抱く迷いの感情を吐露する機会を意識的に提供する必要性がある。今後、入居者と家族がよりよく向き合い、適切な関係を継続するためにも、家族会の活動内容を家族同士のサポート活動としてさらに発展させていくことが重要となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
入居者家族の不安状態について、介入前後の比較検討ができた。この結果から、家族同士による支援方法の手がかりをつかむことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
家族同士の相互支援プログラムづくりに向けて、さらに協力施設と連携を強め、共同研究を進めていく。援助者による支援、家族同士による支援の両方を検討するべく、準備を進める予定である。
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