2012 Fiscal Year Annual Research Report
特別養護老人ホーム入居家族への支援方法に関する研究
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22730445
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
井上 修一 大妻女子大学, 人間関係学部, 准教授 (20322430)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 特別養護老人ホーム / 家族支援 / 迷い / 不安 / 緩和 |
Research Abstract |
入居者家族が抱く複雑な感情をとらえることは容易ではない。本研究では、支援が必要な入居者家族の姿を明らかにし、さらにSTAIを使った不安感情の測定を手掛かりに、家族同士による支援の有効性を検討した。 本研究の調査対象は、G県内の特別養護老人ホームで、当方の調査に対して協力の意思のあった施設(4カ所)の家族24名である。1回のインタビューの時間は、STAIの回答を含め約2時間ずつであった。インタビューの前後で、STAI(状態-特性不安尺度)の日本語版を用いてアンケートを実施し、入居者家族の心理状態の変化を測定した。 本調査協力者(入居者家族)のインタビュー前の状態不安は43.4であった。42点以上が臨床的に問題となりうるため、この数値から入居者家族が強い不安を感じていることがわかる。それに対し、インタビュー後の状態不安は39.6に低下した。このことからも、グループインタビューの機会が家族の不安軽減に有効に作用したと推察できる。 本研究のグループインタビューを通じて、家族同士が話し合い、自分だけが悩んでいるのではないという、不安の緩和を実感することができた。このことから、家族会が家族同士の迷いの共有の場としてさらに発展できると推察された。臨床的に問題となりうる不安を抱える入居者家族がいたが、家族が抱く不安は、家族同士が安心して話せる場面設定によって緩和できると推察できた。特に、家族会の当事者組織としての機能を見直すことによって、不安の軽減や面会・親族への関わりやすさにつながると思われる。家族支援においては、援助者からの支援だけでなく、家族同士の支援関係も有効である。家族支援によって、家族が入居者(親族)と関わる際の不安が軽減でき、良好な家族関係を施設ケアにおいて継続できる可能性がある。今後、家族会の活動内容を家族同士のサポート活動としてさらに発展させていくことが重要となる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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