2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730449
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
福間 隆康 高知県立大学, 社会福祉学部, 講師 (30410509)
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Keywords | サービスの質 / 組織コミットメント / 職務関与 / 顧客コミットメント / 二重コミットメント / キャリア志向 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の理論的検討と先行調査を受けて、対象施設に対して重点的な質的調査を行った。その後、量的調査を行った。 研究課題1「介護職員のキャリア志向とサービスの質の関連性の解明」に関しては、昨年度調査を拡張し、福祉施設の実情に適合するようなサービスの質の次元開発を試みた。調査方法としては質的調査を中心に行った。そこでは、既存研究で確認された「信頼性」に加え、「共感性」が多く見られた。さらに、既存研究における「能力」に類する項目が多く挙げられるなど、いくつかの特徴が明らかにされた。 研究課題2「介護職員のキャリア志向に対応する人的資源管理施策の把握」に関しては、個人的特性とキャリア志向の関連性を解明するために、量的調査を実施した。その結果、専門性志向は、30代、20代、40代および50代以上の順に高いことが明らかにされた。一方、勤続年数と専門性志向の間に関連性がないことが確認された。さらに、職種(看護職、相談職、介護職)の間で専門性志向に差異がないことが明らかになった。 研究課題3「介護職員のキャリア志向と行動特性がサービスの質に与える影響の解明」に関しては、どのようなタイプの人材が、質の高いサービスを提供しているのかについて、量的調査を中心に調査を実施した。その結果、職務関与や顧客コミットメントに加え、組織と顧客双方へのコミットメントがサービスの質に影響を与えていることが明らかにされた。一方、年齢や勤続年数といった個人的特性はそれほど影響を与えていないことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の概要と進捗状況を照らし合わせると、当初の研究目的であるサービスの質を高める要因を特定する研究成果が順調に得られていると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に当たる本年度は、研究成果をまとめ、公表することを第一の課題としたい。その際、学会誌として公刊することを計画している。また、本年度も昨年度同様、研究成果を国内学会で報告することで、成果の公表を行いたいと考えている。
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