2010 Fiscal Year Annual Research Report
「ボーダーフリー大学」におけるアカデミック・プロフェッションの再構築に関する研究
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22730667
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
葛城 浩一 香川大学, 大学教育開発センター, 准教授 (40423363)
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Keywords | ボーダーフリー大学 / アカデミック・プロフェッション |
Research Abstract |
本年度は、先行研究及び基礎的情報の整理を行うとともに、複数のボーダーフリー大学で教員に対する予備的なインタビュー調査を行った。 まず、前者については、「ボーダーフリー大学」におけるアカデミック・プロフェッションの問題に限らず、「ボーダーフリー大学」に関連する先行研究・調査の収集を逐次行った。また、読売新聞の行っている「大学の実力」調査や『大学ランキング』(朝日新聞出版)、教育関連産業の発行する進学情報等を用いて、「ボーダーフリー大学」に関する基礎的情報の整理を行った。ボーダーフリー大学に関する研究蓄積が十分でない現状に鑑みれば、こうしたデータベースを整備することには大変大きな意義がある。 なお、研究代表者も参加する共同研究において実施した、アカデミック・プロフェッションに関する全国規模の大規模調査のデータを使用する許可が得られた。こうしたデータを用いて分析を行えたことで、インタビューでは捉えることのできない、ボーダーフリー大学以外の大学教員との相対的な特徴を明らかにすることができただけでなく、インタビューを行う上で重要な視角を得ることもできた。 後者については、複数のボーダーフリー大学において、当該大学の若手教員を対象に、当該大学における教育・研究活動の実態や困難についてのインタビューを行った。当該大学教員の中でも若手教員に焦点を当てたのは、彼らは中堅教員やベテラン教員よりも、アカデミック・プロフェッションの再構築の問題に晒されていることに加え、初期キャリア形成の問題も抱えていると考えたからである。こうした予備的なインタビュー調査によって、次年度以降の調査の枠組みを構築することができた。
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