2013 Fiscal Year Annual Research Report
アジア諸国における教育効果の向上に資する「学校を基盤とする経営」に関する比較研究
Project/Area Number |
22730668
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
正楽 藍 香川大学, インターナショナルオフィス, 講師 (40467676)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 比較教育 |
Research Abstract |
タイとカンボジアでの現地調査を実施し、SBMがどのような成果をあげているのか、それらは、これら2カ国がSBMを導入した背景への解決策となっているのかを分析した。 タイとカンボジアのSBMはいくつかの課題を抱える一方、他方では、学習成果の改善という結果も出している。地域間や貧困層と富裕層の教育格差という課題に対しては、SBMはその解決策となっていないどころか、地方や学校へ権限を移譲することによって、地盤の固さや行政能力の高低によって格差が拡大する傾向にある。その要因として、行財政の力量に応じた権限の移譲や能力向上を目的とした職能研修等、権限の移譲に伴ってなされるべき支援がなされていないことがあげられる。 教育の質について、学習成果の改善を主張している先行研究はあるものの、SBM導入との因果関係は明らかではない。一方、学校と地域の協同の雰囲気や組織文化が児童の学習成果の改善へつながるとの推測は可能であり、学校と地域の連携や学校の組織文化の活性化を促す施策が求められる。 次に委員会制度であるが、その機能を十分に果たしているとは言い難い。タイとカンボジアに限らず、委員会制度はよく採られる制度である。しかし、責任の所在が曖昧であったり、従来の委員会と混同されたりするケースが少なくない。その要因の1つは、これらの委員会は学校と地域の連携促進を目的として、また、学校への権限移譲の受け皿として、法令や政府の指示によって作られた組織であるからであろう。学校での教育活動を指導および監督するなど、自治的組織として自主的な活動を展開することを使命としながらも、設置を先導したのは政府であり、法令であった。委員会構成メンバーの地域住民と学校をつなぐ役割を期待されるのは教員であり、住民は教員から必要な情報を提供される必要がある。しかし、住民は自らの役割を十分に理解しておらず、必要な情報も持っていない。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|