2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740263
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Research Institution | 仙台高等専門学校 |
Principal Investigator |
永弘 進一郎 仙台高等専門学校, 機械システム工学科, 准教授 (20419154)
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Keywords | 動的接触角 / 濡れ / 表面張力 / パターン形成 |
Research Abstract |
滑らかな疎水性の平板上を流れる細流の振る舞いは、流体の粘性や平板との摩擦に加えて、平板に対する濡れ性に強く支配される。濡れ性は、固体・流体・気体の3つの界面から構成される接触線に加わる張力として、細流の振る舞いに作用するが、この接触線張力を理解するために、平板上に置ける細流の蛇行パターンと、円管内壁における細流の螺旋パターンの形成に着目した。 平板上の細流は、流量がしきい値を超えると、不安定化し、蛇行を始める。一方、円管内壁に置いては、細流が螺旋パターンを形成する。そのパターン形成が始まるもう一つのしきい値が存在することを実験的に示した。螺旋の周期は、円管の内径に正比例する。つまり、細流は重力方向に対してつねに一定の傾き角度を保って流れ落ちる。その角度は、重力と接触線張力のバランスによって決定されると予想し、界面活性剤を用いて接触せん張力を変化させ、傾き角度についての実験結果を解析し、考察をおこなっている。 固体の濡れのダイナミクスが関連する問題として、濡れた粉体の研究をおこなった。とくにコーンスターチや片栗粉と水の混合物はダイラタント流体と呼ばれ、顕著なShear Thickeningを示すが、そのメカニズムはあまりわかっていない。この研究は、申請時の計画にはなかったが、モデル解析を実験の双方から研究を行った。モデル解析から、ダイラタント流体に一定の外力を加えると、自発的な振動が観測されること予測した。それを実験的に検証することに成功した。
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Research Products
(4 results)