2010 Fiscal Year Annual Research Report
先進ナノスコピックプラズマによる光敏感物質内包カーボンナノチューブ光デバイス創製
Project/Area Number |
22740358
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
李 永峰 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40400296)
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Keywords | カーボンナノチューブ / DNA / 内包 / 電気伝導 / フラーレン / 電荷交換 |
Research Abstract |
先進ナノスコピックプラズマによる光敏感物質内包カーボンナノチューブ光デバイス創製の各段階初年度計画に基づき,以下の成果が得られた. 1.一重螺旋DNA(ssDNA)を二層カーボンナノチューブ(DWNTs)内部に90%以上の高効率で内包することに成功した.さらに,ssDNA内包DWNTsの電気伝導特性がssDNAの塩基配列により大きく変調可能であることを見出し,内包したssDNAの塩基配列がグアニン(G_<30>)>アデニン(A_<30>)>チミン(T_<30>)>シトシン(C_<30>)の順でDWNTsに対する電子ドーピング能力を持つことを明らかとした.また,紫外吸収分光,及び電気伝導特性評価の結果,外部電場を印加することによりDWNTsの内部からssDNAを除放可能であることも実証した. 2.透過型電子顕微鏡(TEM),紫外-可視-近赤外吸収分光(UV-vis-IR),ラマン分光,及び真空紫外分光により,C_<69>Nアザフラーレンを単層カーボンナノチューブ(SWNTs)に内包することに実証した.また,C_<69>Nアザフラーレンを内包することでSWNTsの電気伝導特性が大きく変化することが明らかとした.空のSWNTs,あるいはC_<70>フラーレン内包SWNTsがp型伝導特性を示すのに対し,C_<69>N内包SWNTsは高性能n型伝導特性を示すことが分かった.これは,C_<59>N内包SWNTsで観測されたものと同様に,電子を放出しやすい特性を有するC_<69>NとSWNTs間の電荷交換作用によるものと説明できる.しかしながら,C_<59>N内包SWNTsに比べC_<69>N内包SWNTsの場合ゲート電圧のシフトがより顕著であり,C_<59>Nに比べC_<69>NがSWNTsに対してより電子ドーピング作用が強いことが判明した.波長400nmの光照射時において,C_<69>N@SWNT-FETにおけるソース-ドレイン電流値がC_<69>Nを内包していない空のSWNTsの場合と比較して50%程度減少した.このことはC_<69>Nの光照射における特異な性質によるものと考えられる.
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