2011 Fiscal Year Annual Research Report
全方位カメラを有する複数ロボットの視覚フィードバック協調制御-受動性アプローチ-
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22760323
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Research Institution | Advanced Institute of Industrial Technology |
Principal Investigator |
村尾 俊幸 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 助教 (00447038)
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Keywords | 制御工学 / 視覚フィードバック / シンクロ制御 / 機械力学・制御 / 知能ロボティックス |
Research Abstract |
本年度は全方位カメラを有するロボットの台数を複数台に拡張し,安定性を保証した受動性に基づくシンクロ視覚フィードバック制御則を提案した.まずは全方位カメラを有する複数台のロボットを視覚フィードバックシステムとして捉え,数学的にモデリングすることから始めた.全方位カメラはピンホールカメラと双曲面鏡を用いて構成される一般的なものを想定し,また画像情報から相対位置姿勢を推定する際には全方位カメラモデルに対応した非線形オブザーバを構成している.そして,推定と制御の両偏差システムに,カメラを有するロボットそれぞれの相対位置姿勢間の偏差を用いて構成されるシンクロ偏差システム牽統合し,視覚フィードバックシンクロ偏差システムを構成した.受動性を有するように偏差システムを構成させたことを利用し,受動性に基づく視覚フィードバックシンクロ制御則を提案した.観測対象が静止している場合において,リアプノフの安定定理に基づく安定性解析をおこなった.制御則の特徴として,従来研究であるピンホールカメラのみを用いた視野の狭いシンクロ視覚フィードバック制御則を特殊例としてみなせることが挙げられる.また,繰り返し作業を行うときに有効性を発揮する視覚フィードバック制御の学習制御則も併せて提案した.さらに,提案する制御則を検討するために,MATLABとSimulinkを用いて,3次元シミュレータを作成し,シミュレーションによる有効性の検証をおこなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在は全方位カメラを有する複数ロボットの視覚フィードバック制御のシミュレーション検証を行っている.実験検証までは行えていないが,おおむね順調に進展していると捉えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は人工ポテンシャル場を考慮するナビゲーション関数を用いた目標値生成を中心に本研究を実施する.ロボット自体にカメラが搭載されているEye-in-Handシステムで,かつ3次元空間で偏差を定義する位置ベース法の視覚フィードバック制御においては,制御の途中で特徴量を外してしまう可能性がある.したがって,ナビゲーション関数を用いることで,カメラ視野内に特徴量を維持したまま制御目的を達成できるような目標値生成を行う.また,それに併せて,障害物が現れたときにその回避を行えるようなポテンシャル場を定義し,それらを達成できるような目標値生成手法も提案する.提案する目標値生成手法に対して,理論的な収束性の保証まで議論することが重要となる.目標値生成手法を提案した後,これまでに提案している複数台のロボットの視覚フィードバック制御とあわせ,シミュレーションならびに実験による有効性の検証をおこなう.
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