2011 Fiscal Year Annual Research Report
姉妹染色分体間の接着確立とDNA複製のクロストーク
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22770168
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古俣 麻希子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特任助教 (30572911)
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム / 細胞・組織 |
Research Abstract |
研究目的;DNA複製により生じた姉妹染色体分体の間にはコヒーシン複合体による接着が形成され、この接着は正確な分配に必須なことが知られている。細胞周期のDNA合成期には、ゲノム維持に重要な二つの事象、DNA複製と接着の形成が並行して進行していることになるが、この両者間にどのような連携があるか未だに明らかでない。そこで、DNA複製と接着因子コヒーシンが互いにどのように制御し合い、その特異的役割を保障しているか、連携メカニズムの解明を目的とした。 研究方法;出芽酵母、さらにはヒト細胞を実験材料とし、分子生物学的手法により実験を行った。接着因子コヒーシンの機能確立に必須なアセチル化を特異的に認識する抗体はすでに製作に成功している。この抗体で一本の染色体上でのアセチル化されたコヒーシンの局在を、ChIP-seq解析法を用いて研究を進めた。解析に用いた手法は、すべて研究室内で機能し、成果を上げているものであり、必要機器類も備えられている。 研究成果;そもそもコヒーシンのアセチル化はごく少量のコヒーシンに生じていることが明らかとなっているため、1)ごく少量のアセチル化コヒーシンを免疫沈降可能な抗体の開発、および、2)少量の免疫沈降DNAを偏り無く増幅し、シークエンスする技法の開発、の二つの課題に取り組んだ。その結果、少なくともヒト細胞では、アセチル化コヒーシンに対する特異性の高い抗体の作成に成功し、アセチル化コヒーシンの局在をゲノムワイドに検出することに成功した。一方、出芽酵母では膨大な量の抗体をスクリーニングしたにもかかわらず、未だに検出には至っておらず、今後の課題となった。
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Research Products
(2 results)