2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22770171
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
成田 央 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助教 (50437399)
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Keywords | DNA修復 / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
DNA修復因子の転写反応における機能解析では、これまでに(i)XPGをノックダウンした細胞では上皮増殖因子(EGF)で刺激した後にc-fos遺伝子の誘導発現が抑制されること、(ii)また正常細胞においてはこの刺激依存的にXPGがc-fos遺伝子座にリクルートされることを明らかにしている。そこで本研究においては、GFPタグを付加した野生型XPGやXP-G群患者にみられる変異型XPGを恒常的に発現する293細胞を樹立し、これらの組換えXPGがEGF刺激後にc-fos遺伝子座にリクルートされるかどうか検討を行った。その結果、野生型XPGやXP-G患者にみられる変異型XPGはEGF刺激に依存してc-fos遺伝子座にリクルートされたが、CSを併発する重症型の患者(XP-G/CS)にみられる変異型XPGはリクルートされなかった。どちらの変異体もヌクオチド除去修復活性を失っているので、今回の現象はCSの発症と関係していることが示唆される。また、CS様病態を示す患者細胞の解析においては、まず幅広い実験を可能にするため患者の初代培養細胞をヒトテロメラーゼ逆転写酵素とSV40ラージT抗原で不死化した細胞を樹立した。次にこの細胞を用いて不定期DNA合成やDNA損傷後のRNA合成の回復といった、細胞のヌクレオチド除去修復活性を検討したところ、患者細胞は正常細胞と同等の修復活性を示した。そのためこの細胞はヌクレオチド除去修復機構そのものには異常がないことが示唆された。また患者細胞のゲノムDNAを調製しCGHアレイ解析により、6番染色体に3.7Mbの欠損と10番染色体に17.5Mbの増幅が見られることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)