2011 Fiscal Year Annual Research Report
イネ根の破生通気組織の形成が阻害された変異体の単離と機能解析
Project/Area Number |
22780057
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
小原 実広 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生物資源・利用領域, 研究員 (10455248)
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Keywords | イネ / 変異体 / 根 / 破生通気組織 / 基本生長 / バイオマス |
Research Abstract |
通気組織の生理的な機能を解明することを目的とし、本研究で単離した、通気組織の形成が極めて低下した変異体の水田での耐湛水性を評価した。慣行栽培を行ったところ、野生型に比較して、その生長は阻害されていた。この成長の阻害は、生育初期から認められた。また、葉の黄化も観察された。当該変異体においては、耐湛水性が低下し、湿害の回避能力が低下していることが考えられた。コムギ、トウモロコシなどの畑作物においては、葉の黄化、生長の阻害は湿害の症状として報告されている。さらに、これらの成長阻害は、劣性な1遺伝子により支配されていることが判明している。以上の結果から、イネの通気組織は、耐湛水性に関与している重要な組織であることが、直接的に示された。 包括的な植物の通気組織の形成機構の解明に向けて、根の通気組織の形成程度が低下した新奇な突然変異体を単離した。平成22年度の研究において、遺伝的に固定された突然変異体が、2,500系統から3系統単離された。それらを遺伝背景と交配し、F2個体を得た。F2個体における通気組織の形成を調査したところ、それらにおいては、通気組織の形成は、2つ以上の遺伝子が相乗的に関与していることが明らかとなった。これらのことより、通気組織の形成には、複数の遺伝子が関与していること、さらには、それらの遺伝子が相乗的に通気組織の形成に関与していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)