2010 Fiscal Year Annual Research Report
原核細胞の磁気オルガネラの生細胞イメージングー形成・機能メカニズムの解明ー
Project/Area Number |
22780063
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田岡 東 金沢大学, 自然システム学系, 助教 (20401888)
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Keywords | 微生物学 / 生細胞イメージング / 原核細胞 / オルガネラ / バイオミネラリゼーション / 磁気微粒子 / 細菌 |
Research Abstract |
原核細胞は、原核細胞オルガネラと呼ばれる細胞内構造物を形成し、細菌に特徴的な反応(CO_2固定やアンモニア酸化、バイオミネラリゼーションなど)の場として機能させている。しかし、原核細胞オルガネラの動態・機能発現のメカニズムはほとんど未知である。本研究では、磁性細菌Magnetospirillum magneticum AMB-1の原核細胞オルガネラ「マグネトソーム」を構成する蛋白質を蛍光ラベルすることで、"生きだ細胞内でマグネトソームを可視化し、その動態の解明を目指す。平成22年度は、まず磁性細菌における蛋白質発現系の構築を行った。広宿主域プラスミドベクターpBBB由来のプラスミドにtacプロモーター配列をクローニングすることで、tacプロモーター依存的に蛋白質を発現させる広宿主域ベクター(pBBR-tac)を作製した。tacプロモーター下にGFP遺伝子をクローニングし、接合により磁性細菌に形質転換したところ、磁性細菌細胞内でのGFP発現を蛍光顕微鏡下で確認した。また、マグネトソーム形成に関わる膜蛋白質ManPをコードする遺伝子をクローニングし、磁性細菌に形質転換した。その結果、イムノブロットによりMamPの発現量を調べたところ、野生株のおよそ5倍多く発現しており、本発現ベクターがマグネトソーム形成に関わる蛋白質の大量発現にも使用できることを確認した。一方、生細胞を蛍光顕微鏡下で長時間観察するための細胞の固定方法を検討した。開発した固定方法を用いて液体培地中で培養しながら顕微鏡観察を続けたところ、スライドグラス上で細胞分裂を確認することができた。現在、蛍光蛋白質とマグネトソーム局在蛋白質の融合蛋白質を発現させるプラスミドベクターを構築しており、これにより蛍光顕微鏡下でのマグネトソームの可視化を行う予定である。
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