2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22780076
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
高久 洋暁 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 准教授 (70350717)
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Keywords | tRNaseZL / 前駆体tRNA / 酵母 / tRNAの3'端プロセシング / endoribonuclease |
Research Abstract |
tRNaseZLは真核生物においてtRNAの3'端プロセシングに関与するendoribonucleaseで、前駆体tRNAの3'伸長配列をdiscriminator塩基で切断する酵素である。昨年度まで、酵母Saccharomyces cerevisiaeのtRNase ZL(SctRNase ZL)を題材とし、in vitro前駆体tRNA assayを利用して、その切断効率、切断部位を明らかにしてきた、本年度は、酵母細胞内におけるSctRNase ZLの機能について報告する。 生育に必須であるSctRNase ZLの機能を解析するため、trzl温度感受性変異株の作製を試み、 SctRNase ZLの537番目のチロシンがロイシンに変換された変異株(trzl/Y537L)と538番目のロイシンがリシンに変換された変異株(trzl/L538K)を取得した。それぞれの株は、培養温度を30℃から37℃或いは25℃にシフトすることにより生育阻害が見られたが、その阻害程度の大きかった25℃への温度シフト条件で、酵母細胞内のtRNAプロセシングとSctRNase ZLの関係について、ノーザン解析により調べた。その結果、野生株は温度を30℃から25℃にシフトしてもtRNAプロセシングに変化は見られなかったが、trzl/Y537L株、trzl/L538Kでは、tRNAの3'端に伸長配列が残ったままの前駆体tRNAの蓄積が見られた。このことは、細胞内の変異型SctRNase ZLの機能が不全となり、tRNAの3'端プロセシングが阻害された結果であると考えられ、酵母細胞内におけるSctRNase ZLの機能は、これまでのin vitro解析の結果と同様に、前駆体tRNAの3'伸長配列をdiscriminator塩基で切断する酵素であることが示唆された。
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