2011 Fiscal Year Annual Research Report
外来遺伝子の強力で持続的な肝臓特異的発現を促す遺伝子導入システムの開発と応用
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22780274
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
中村 伸吾 防衛医科大学校, 医学教育部・医学科専門課程, 助教 (00505323)
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / 再生医学 |
Research Abstract |
本研究では、肝再生研究の基盤確立のため、強力且つ持続的な遺伝子発現を肝臓特異的に促す新たな生体内遺伝子導入システムを開発する事と、その応用例として、当該システムを用いて肝疾患モデルマウスの作製を行う事を目的としている。そのために、以下の点について検討を行っている。 1:ハイドロダイナミクス法に基づいた肝臓への簡単で効率的な遺伝子導入系の確立の可能性 2:外来の目的遺伝子(非ウイルス性ベクター)を持続発現させる簡単で効率的な遺伝子導入系の確立の可能性 3:1及び2の検討で得られた手法を用いた、肝細胞特異的破壊による肝疾患モデルマウスの作製の可能性 本年度の検討により、項目1に関して、肝臓特異的且つ強力に遺伝子発現を誘導する系(ETSGE)とハイドロダイナミクスによる遺伝子導入手法の併用で、肝臓特異的に遺伝子が発現する簡便な遺伝子導入手法が確立出来た。また、種々の遺伝子導入試薬を併用する事で、本手法における遺伝子発現効率が向上する事も判った(論文準備中)。一方、独自に開発した多糖類を主体としたバイオマテリアルが遺伝子などのデリバリーキャリアとして機能する事が判り、先の遺伝子導入試薬類と同様に、本手法における遺伝子発現効率の向上に寄与する可能性が示唆された。 項目2に関し、静脈注射による遺伝子導入手法をφC31インテクラーゼ遺伝子組換え系と組み合わせる事で、簡単に導入遺伝子をレシピエント動物のゲノム内へ挿入して持続発現させる事が出来る可能性が示された。 上記の結果を利用する事で、肝臓のみを標的とした遺伝子導入が簡便に行えるようになると考えられる。次年度は、その一例として、本システムを使用して肝疾患モデルマウスの作製を試みる(項目3)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で実施予定の研究内容は、以下の3点である。 1:肝臓への簡単で効率的な遺伝子導入系の確立 2:外来の目的遺伝子(非ウイルス性ベクター)を持続発現させる簡便な実施系の構築 3:1および2の手法を用いた、肝細胞特異的破壊による肝線維化症モデルマウスの作製 本年度までに、項目1及び2に関する検討を行った。現段階において研究はほぼ予定通りに進んでおり、今後は項目3を中心とした研究を計画書記載の方法で実施する。
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