2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790066
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 欣晃 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (50444500)
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Keywords | 血管内皮細胞 / Robo4 / エピジェネティクス / DNAメチル化 / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
我々はRobo4遺伝子が血管内皮細胞特異的に発現するメカヂズムを明らかにするために、Robo4プロモーターのDNAメチル化に着目し研究を行っている。これまでに転写開始点付近のCpG配列がRobo4遺伝子を発現する内皮細胞ではメチル化されず、発現しない非内皮細胞においては高度にメチル化されていることを明らかにしている。今回、この領域のDNAメチル化がRobo4遺伝子の発現制御に与える影響を解析するために、メチル化プラスミドを用いたレポータージーンアッセイを行った。転写開始点上流14個のCpG配列をメチル化酵素SssIでメチル化したプラスミドを内皮細胞に導入しプロモーター活性を測定したところ、プロモーター活性が顕著に減少した。この結果から、転写開始点付近のメチル化は非内皮細胞におけるRobo4遺伝子の発現の抑制に寄与することが明らかになった。さらに、Robo4遺伝子の組織特異的な発現に重要なCpG配列を同定するために、CpG配列に変異を導入したプロモーターにLacZ遺伝子を連結しES細胞に導入した。得られたES細胞を胚様体へと分化させ、プロモーターの組織特異性を評価したところ、転写開始点上流7個以下のCpG配列への変異導入はLacZの発現を変化させなかったが、11個の変異の導入は、胚様体中の非内皮細胞におけるLacZ発現を誘導し、プロモーターの組織特異性を失わせた。この結果から、転写開始点上流11個のCpG配列がプロモーターの組織特異性の制御に寄与することが明らかになった。以上すべての結果から、Robo4遺伝子の転写開始点上流11個のCpG配列が非内皮細胞で特異的にメチル化され転写を抑制することが、Robo4遺伝子が内皮細胞特異的に発現するメカニズムの一つであることが明らかになった。
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