2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期制御における多機能性蛋白質14-3-3の役割
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22790103
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
笠原 広介 愛知県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 研究員 (90455535)
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Keywords | 細胞周期 / DNA障害チェックポイント / 分裂期 / タンパク質リン酸化 / プロテインキナーゼ / 14-3-3 / Chk1 / Plk1 |
Research Abstract |
細胞周期の進行やその監視システムであるチェックポイント機構においては、蛋白質リン酸化修飾による機能制御が重要な役割を担う。我々は、細胞周期進行/チェックポイントにおける新たなリン酸化シグナル伝達経路を明らかにするため、リン酸化結合蛋白質である14-3-3の機能解析からアプローチを進めている。これまでに以下のことを明らかにした。 1)Chk1キナーゼの自己リン酸化反応の生理的意義 DNA障害チェックポイントの中核的キナーゼあるChk1が活性化後、Ser296を自己リン酸化すること、このリン酸化反応依存的にChk1が14-3-3γと結合すること見出した。さらに、この一連の反応がCdc25Aの蛋白質分解とDNA障害後の細胞周期停止に必要不可欠であることを明らかにした。 2)Chk1の細胞内局在と機能の相関 これまでChk1が機能する場所(細胞内小器官)として、細胞核内と中心体が報告されてきた。我々は、遺伝学や分子細胞生物学的な手法を用いて、Chk1が機能する場所は中心体ではなく細胞核内であることを明らかにした。
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