2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコバクターハイルマニ菌の病原性遺伝子を基にした感染診断方法の確立
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22790136
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
三木 生也 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (30420467)
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Keywords | ヘリコバクターハイルマニ / ウレアーゼ |
Research Abstract |
ヘリコバクターハイルマニのウレアーゼ遺伝子A/Bをクローニングし、それを基に組み換えタンパク質を作成した。精製した組み換えタンパクを抗原としてラットに免疫し、リンパ節からリンパ球を採取することによって、ハイブリドーマを作成し、モノクローナル抗体の作成を試みた。ハイブリドーマから得られた抗体を用いて、感染診断ができるのかどうかをスクリーニングしたところ、ヘリコバクターピロリ陽性者では、すべて陽性判定となることが判明し、交差反応を示すことが示唆された。また、ヘリコバクターピロリ陰性者では、検索した範囲ではすべてヘリコバクターハイルマニも陰性と判定され、今回作成したモノクローナル抗体を用いての血清による感染診断の限界が推定された。このことは、予備実験として行ったマウスにおけるヘリコバクターハイルマニならびにヘリコバクターピロリの感染動物血清を用いての検討でも同様の結果であった。さらに、ヘリコバクターハイルマニのウレアーゼ遺伝子に対する特異的プライマーを用いて、感染、非感染マウスの胃粘膜組織を用いてのPCR診断を試みたところ、その有用性が示唆された。当初はヒトにおける胃粘膜を用いてではなく、血清を用いての感染診断を目標にしていたため、ヒトでの確認を行うことは今後の課題である。また、ヘリコバクターピロリの遺伝子と相同性が高い遺伝子配列の存在を推測し、新たな遺伝子配列を基にした組み換えタンパクの作成に取り組んだ。その結果、ヘリコバクターハイルマニにおいても、ヘリコバクターピロリのvirB10遺伝子をはじめとするいくつかの遺伝子に相当する遺伝子のクローニングに成功しており、組み換えタンパクの作成、モノクローナル抗体の作成を継続中であり、これらによって、血清を用いた感染診断の可能性を検討中である。
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[Journal Article] IFN-γ plays an essential role in the pathogenesis of gastric lymphoid follicles formation caused by Helicobacter suis infection2011
Author(s)
Mimura T, Yoshida M, Nishiumi S, Tanaka H, Nobutani K, Takenaka M, Suleiman YB, Yamamoto K, Ota H, Takahashi S, Matsui H, Nakamura M, Miki I, Azuma T
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Journal Title
FEMS Immunol Med Microbiol
Volume: 63
Pages: 25-34