2010 Fiscal Year Annual Research Report
広範な疾患と投与量の個別化に利用できるアルブミンバイオマーカーの探索技術の開発
Project/Area Number |
22790160
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大山 要 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50437860)
|
Keywords | プロテオーム解析 / アルブミン / 蛍光プローブ / 電気クロマトグラフィー |
Research Abstract |
修飾アルブミンは本来の機能(抗酸化能や物質結合能など)が大きく変化することから、本研究ではこれらが広範な疾患や薬物投与量の個別化に利用できる汎用性の高いバイオマーカー群になると位置付けている。新たなバイオマーカー探索法として、キャピラリー電気クロマトグラフィー(CEC)、アルブミンを選択的に認識する蛍光プローブ、超高感度検出が可能なレーザー誘導蛍光検出器(LIF)、エレクトロスプレーイオン化質量分析装置(ESI-MS)を連結した総合分析システム(CEC-LIF-ESI-MS)を開発し、修飾アルブミンの超高感度精密一斉分析を目指す。 平成22年度は、開発した蛍光プローブ4-[4-(4-dimethylaminophenyl)-5-phenyl-1H-imidazol-2-yl]benzoic acid methyl ester (DAPIM)がヒト血清アルブミンとの特異的な結合でその蛍光が著しく増大する蛍光特性を見出し、酸化・還元アルブミンの定量に有効であることを確認した。さらに現在、DAPIM-アルブミン複合体のX線結晶構造解析を継続中であり、結合様式の解明を通じてDAPIMの構造改変により結合能の向上を図っている。また、修飾アルブミンの一斉分離を目的にモノリス型キャピラリーカラムを新たに調製し、キャピラリー電気クロマトグラフィーを用いて評価した。ここでは、タンパク質分離でしばしば問題となる塩基性タンパク質の分離能改善を目的に、弱酸性のmethacrylic acid (MAA)を用いてモノリスカラムを調製し、分離能・ピーク形状について調べた。まず、カラム性能を調べたところ、MAAで高い分離能が認められた(thiourea, 49,000plate/m; aniline, 31,000plate/m)。さらにMAA含量を10倍、50倍と変化させたところ、50倍のMAAを用いた際に最大の分離能(thiourea, 126,000plate/m; aniline, 89,000plate/m)が得られた。
|