2010 Fiscal Year Annual Research Report
Ror1受容体を介したシグナル伝達機構とその発生及びがんにおける役割の解明
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22790291
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西田 満 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (30379359)
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Keywords | Ror / 受容体型チロシンキナーゼ / Wnt |
Research Abstract |
Ror1がWnt5aの受容体として機能する可能性について検討した。これまでに、Wnt5aはRor2受容体を介してWntシグナル伝達経路の中でも非古典的経路を活性化することを明らかにしてきた。非古典的経路はWnt3a等によって活性化される古典的経路を抑制することが示されているため、本研究ではRor1がRor2と同様にWnt5aによる非古典的経路の抑制に関与するかどうかをマウス胚由来線維芽細胞(MEF)を用いて解析した。Ror1,Ror2ダブルヘテロマウス同士の交配によって得られた12.5日胚より4種類の遺伝子変異を有するMEF(Ror1+/- ; Ror2+/-, Ror1-/- ; Ror2+/-, Ror1+/- ; Ror2-/-, Ror1-/- ; Ror2-/-)を調製した。これらのMEFに古典的経路において活性化する転写因子LEF/TCFの結合配列を含むレポーター遺伝子を導入した後、Wnt3aとWnt5aをそれぞれ単独または同時に添加し、8時間後にレポーター活性を測定した。その結果、いずれのMEFにおいてもWnt3a刺激によってレポーター活性の上昇が認められた。一方、Wnt5a刺激はレポーター活性に影響を与えなかった。また、Wnt3aとWnt5aを同時に添加した結果、Wnt3aのみを添加した場合に比べ、Ror1+/- ; Ror2+/- MEF, Ror1-/- ; Ror2+/- MEF, Ror1+/- ; Ror2-/- MEFにおいて有意なレポーター活性の低下が認められたが、Ror1-/- ; Ror2-/- MEFにおいてはレポーター活性に有意な差は認められなかった。したがって、MEFにおいては、Ror1とRor2が冗長的に、Wnt5a受容体として古典的経路の抑制に関与していることが示唆された。
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Research Products
(4 results)