2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790363
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
関 律子 久留米大学, 医学部, 助教 (50446077)
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Keywords | 細胞・組織 / 遺伝子 / 蛋白質 |
Research Abstract |
研究の目的は、Skp2強発現群有無別でマイクロアレイ解析を行い、Skp2と相関する標的遺伝子を見出し、in vitroでびまん性大細胞性リンパ腫株において、細胞増殖、アポトーシス、阻害剤の効果を検討する事でSkp2の増殖、治療抵抗性における役割を明らかにする事である。前年度までにSkp2蛋白発現を確認した凍結組織からtotalRNAを抽出し、これを基にcRNAを増幅し、Human WG-6 Beadarray (Illumina)を用いてマイクロアレイ解析を行ない、limma解析で有意差を認める633遺伝子、うちSkp2と正相関311遺伝子、負に相関322遺伝子に成功した。さらに、IPA(Ingenuity pathway analysis)より、Skp2遺伝子とMTA3遺伝子が正相関をししめし、細胞周期関連だけでなく、Skp2の発現は、B細胞分化にも重要である事を明らかにした。【方法】本年度は、さらにSkp2蛋白発現別にマイクロアレイ解析の症例数を蓄積し、解析した。さらに候補遺伝子群から20遺伝子を抽出し、リアルタイムPCR法により評価した。また、対照患者病理組織標本を用いて免疫組織化学染色にて確認した。【結果】lima解析、Ingenuity pathway analysis(IPA)解析より、抽出された遺伝子群からリアルタイムPCR法によりSkp2高発現群は、Skp2低発現群に比してMyc,MTA3,PRDM1が有意に高い事が明らかとなった。患者リンパ節組織で免疫組織化学染色により、MTA3,Mycの発現を確認し高発現であった。さらにリアルタイムPCR法より、MTA3,PRDM1の増強に加え、Skp2高発現群ではSkp2,Skp2の補因子として機能するcks1bが有意に増加している事も確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究ではSkp2遺伝子と相関する遺伝子として、B細胞分化、細胞増殖に機能する遺伝子群を同定し、Skp2の細胞周期調節機能だけでないB細胞悪性化獲得機構の一端を解明できており、次のステップである細胞実験に進む事ができている。さらに臨床検体でも確認し明らかとなっている。一方で、標的遺伝子の増加に伴い、阻害剤実験は臨床検体により確認し、組み合わせやより選択的阻害剤の研究に力を注ぐ事が求められる。これらから全体として、に進展している、③やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として次の研究を行っていく。Real timePCR法により、各遺伝子 群の増幅を確認していく。さらにIn vitroでリンパ腫細胞株を用いた各種の人為的シグ ナル導入実験を行い、阻害剤の相加作用を検討し治療抵抗性を克服していく。
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