2010 Fiscal Year Annual Research Report
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22790394
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
COBAN Cevayir 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授 (00397712)
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Keywords | マラリア / リポカリン2 / 鉄代謝 / プラスモディウム・ヨエリ / ディフェロキサミン / 感染症 / 貧血 / 免疫学 |
Research Abstract |
マラリアは世界で最も致命的な感染症の一つであるが、有効なワクチンはまだ存在せず、宿主の免疫反応多くは不明のままである。宿主と寄生虫との関係のメカニズムを理解することで、新薬やワクチンといった新たな治療法を開発することが可能になると考えられている。我々はマラリア感染における自然免疫システムの役割について研究を進めている。最近脳マラリアに感染したマウスの脳における遺伝子発現解析によりリポカリン2(Lip2)に顕著な発現上昇が見られることを発見した。Lip2はリポカリンファミリーの一種で、アポトーシスの誘導や鉄の運搬といった生物学的過程を仲介する役割を果たすと考えられている。そこでLip2が、寄生虫の鉄代謝あるいは宿主の免疫反応にかかわる分子なのではないかという仮説をたて、本研究を開始した。大阪大学審良静男研究室で作成されたLip2KOマウスを用い、マウスマラリア原虫を感染させたところ、赤血球期における高い原虫血症が遷延した。Lip2欠損マウスは獲得免疫を含めた免疫異常をきたしており、この免疫異常が原虫血症の以上に関与していると考えられるため、次年度に向け詳細な解析を開始した。また、感染におけるLip2欠損マウスは血清中の各種鉄濃度以上も見られ、マウスマラリア感染による死亡率も高くなっており、この原因がLip2欠損による鉄代謝異常をきたしたものによるのか次年度にむけ解析を進める予定である。
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Research Products
(4 results)