2011 Fiscal Year Annual Research Report
IL-17産生gdT細胞による免疫制御と治療への応用
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22790468
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柴田 健輔 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (50529972)
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Keywords | 粘膜免疫 / サイトカイン / T細胞 |
Research Abstract |
これまでにIL-17産生gdT細胞の胸腺内機能分化にはNotch-Hes1を介したシグナルが必須であることを見出している。本年度はさらに詳細にIL-17産生gdT細胞機能分化機構を解析した。まず、gdT細胞の前駆細胞が含まれる細胞群(double-negative(DN)2及びDN3 stage)を分取後、in vitroにてT細胞へ分化誘導しgdT細胞のIL-17産生能について解析した。その結果、IL-17産生gdT細胞はDN2細胞からNotchシグナル依存性に分化することが明らかとなった。興味深いことにDN3細胞からはNotchシグナル存在下においてもIL-17産生gdT細胞分化は認められなかった。さらに単細胞レベルで解析を行った結果、確かに一つのDN2細胞よりIL-17産生gdT細胞の分化が認められた。以上よりIL-17産生gdT細胞はDN2細胞よりNotchシグナル依存性に分化することが明らかとなった。 日和見感染を引き起こす病原性真菌であるCandida albicansを用いてIL-17産生gdT細胞の感染防御における役割を検討した。IL-17及びgdT細胞いずれの欠損マウスにおいても感染24時間後の肺において顕著な菌排除の低下を認めた。さらに感染後にgdT細胞より誘導されるIL-17産生にはTLR2-MyD88経路を介して産生されるIL-23が関わっていた。そしてgdT細胞によるIL-23誘導性IL-17産生にはtyrosine kinase2が必須の役割を担っていた。このように病原性真菌に対するIL-17産生gdT細胞の感染防御における新たな役割が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りIL-17産生gdT細胞の機能制御に必須の分子としてNotchシグナルを向定し、さらにIL-17産生gdT細胞の治療効果を解析するために有用なマウスモデルを確立したからである。
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