2010 Fiscal Year Annual Research Report
認知機能の非遺伝的危険因子の検討と健康関連QOLへの影響に関する疫学的研究
Project/Area Number |
22790566
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
岡本 希 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (70364057)
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Keywords | 健康関連QOL / 日本語版開発 / 再現性 / 妥当性 |
Research Abstract |
【目的】15Dは、15分野(移動・視力・聴力・呼吸・睡眠・食事・話し・排泄・日常活動・精神機能・不快と症状・うつ・なやみ・活力・性活動)が各々1つの質問で構成されている自記式の健康関連QoL尺度である。回答の選択肢は5段階(1~5)で、1が最も良い状態である(合計点数の範囲15~75)。平成22年度の研究の目的は、高齢者を対象に、邦訳された日本語版15Dの信頼性と妥当性に関する基礎的検討を行うことであった。 【方法】調査協力の得られた430名(年齢65~89歳)を対象に郵送法にて15Dを含む調査票を4週間隔で2回配布・回収した。信頼性の検討は再テスト法によった。すでに日本語版が普及している健康関連QoL尺度のNottingham Health Profile (NHP)と生活機能を評価する老研式活動能力指標(TMIG)との関連をみることで基準関連妥当性を検討した。回答の所要時間と負担を尋ねることで受容性の検討も行った。 【結果】調査票の回収率は98.4%、15D記入の所要時間の中央値は5.0分、容易と回答した者の割合は98%であった。重みづけしたκ統計量は0.430~0.640であった。15Dの移動とNHPの身体機能(スピアマンの相関係数:0.619)、15Dの睡眠とNHPの睡眠(0.578)、15Dの日常活動(0.400)・活力(0.504)とNHPの活力、15Dの精神機能とNHPの社会機能(0.419)、15Dの「不快と症状」とNHPの痛み(0.470)、15Dのうつ(0.493)・なやみ(0.489)とNHPの感情との間に中程度の相関がみられた。15Dの合計点数を4分位で4群に分けた場合、高得点であるほど、生活機能障害の割合が有意に増加した。 【考察】再現性が中程度に留まった理由として、回答の分布がレベル1と2に偏在したためと考える。短時間での記入が可能である点、15DとNHPでは対応する領域で相関がみられたこと、15Dと生活機能との間に有意な関連が見られたことから、15D日本語版の受容性と妥当性は十分なレベルと考える。
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Research Products
(1 results)