2010 Fiscal Year Annual Research Report
小胞輸送分子ESCRTを介したC型肝炎ウイルスの感染制御
Project/Area Number |
22790630
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Research Institution | Miyagi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
玉井 恵一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), 免疫学部, 副主任研究員 (40509262)
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Keywords | ESCRT / Hrs / exosomes / HCV |
Research Abstract |
(1)ESCRT分子のHCVにおける役割を検討するために、まず、HCVが含まれるとされるエクソゾームとHrsの関連性を検討した。Hrsノックアウト樹状細胞においては、エクソゾームの放出量が抑制されており、ovalbuminによって刺激を行い、そのエクソゾームを回収したところ、OT-IトランスジェニックマウスのT細胞に対する抗原提示能も減少していた。以上のことからHrsはエクソゾーム放出に必須の分子であり、エクソゾームを介した抗原提示能にも関わっている可能性が示唆された。(BBRC, 2010) (2)HrsノックダウンHuh7細胞にHCV株JFH1を感染させると、上清中に放出されるHCV-RNAは有意に減少した。細胞内HCV-RNAやコアタンパク発現量には変化がなかったが、細胞内の感染性HCV粒子はHrsノックダウン細胞において減少していた。以上のことから、HrsはHCVアセンブリに関与している可能性が示唆された。 (3)HCV感染細胞の上清を精製し、ショ糖密度勾配遠心にて分画すると、HCVコアタンパクとエクソゾームマーカーであるCD63はほぼ同じ分画に存在した。共焦点顕微鏡を用いて観察すると、multivesicular bodyとHCVコアタンパクは部分的に共局在しており、免疫電顕をおこなうと、HCVコアタンパクおよびエンベロープタンパクはmultivesicular body内のintraluminal vesicleにも存在していた。以上のことからHCVはHrs依存性エクソゾーム経路を利用している可能性が示唆された。
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