2010 Fiscal Year Annual Research Report
5型アデニル酸シクラーゼによる活性酸素産生シグナルの解析と心不全治療への応用
Project/Area Number |
22790719
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
白 云哲 横浜市立大学, 医学研究科, 共同研究員 (50571147)
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Keywords | シグナル伝達 / 循環器・高血圧 / サイクリックAMP / 心不全 / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
[目的]アデニル酸シクラーゼ(AC)の9つのサブタイプのうち5型AC(AC5)は生命維持に重要な心臓、脳、腎臓に限局して発現している。申請者らはAC5ノックアウトマウス(AC5KO)ではこれらの臓器が酸化ストレスに抵抗性を示し心筋リモデリング、心不全発症が抑制されることを報告した(Okumura S, Bai Y et al. Circulation 118, 1776-1783, 2007; Cell 130, 247-258, 2007)。cAMPによる活性酸素の産生はPKA(protein kinase A)非依存的経路を介するとされている。本研究では近年報告されたEpac(exchange protein directly activated by cAMP)に着目し、AC5-Epac経路の心不全発症にはたす役割を解明し、本経路を標的にした創薬開発を目標にする。 [方法ならびに結果] 1)AC5TG-Epao1KOを用いたin vivoの解析 平成22年度はAC5TG-Epac1KOのマウスの作製に成功した(n=3)。AC5TGのマウスを用いてイソプロテレノールによる慢性カテコラミン刺激心不全マウスモデルを作製して以下の実験を行った。 (1)生理学実験:心臓超音波検査(LVEF)を行ったところ、AC5TG-Epac1KOではAC5TGに比較して心不全発症が抑制されていた。。 (2)病理学実験:心肥大の程度(左室/頚骨比)TUNEL染色によりアポトーシス陽性細胞の割合、Masson染色により心筋組織線維化について検討を行った。その結果AC5TGに比較してAC5TG-Epac1KOではアポトーシス陽性心筋細胞の割合が低下していた。 以上の結果からAC5-Epac1経路は心不全発症促進経路であることが示唆された。 平成23年度はAC5TG-Epac1KOのnを増やして平成22年度に得られた実験結果の再現性について検討する必要がある。
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Research Products
(5 results)