2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄微小環境での白血病幹細胞の治療抵抗性の機序解明とそれに基づく新規治療法の開発
Project/Area Number |
22790907
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Research Institution | National Hospital Organization Nagoya Medical Center |
Principal Investigator |
宮田 泰彦 独立行政法人国立病院機構, 名古屋医療センター・臨床研究センター, 血液・腫瘍研究部病因・診断室長 (40467303)
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Keywords | 血液腫瘍学 / 薬剤耐性 |
Research Abstract |
白血病再発の原因となる白血病幹細胞(Leukemic Stem Cell : LSC)の根絶を目的とし、LSCの治療抵抗性を外部環境による側面=環境依存性薬剤耐性(Environment-mediated Drug Resistance : EMDR)より検討しLSC特異的新規治療法の確立を試みるため、LSCのin vitroモデルとしてヒトCML由来細胞株をストローマ細胞株MS-5と共培養を行った。 共培養下でBCR-ABL阻害剤であるイマチニブ治療を行ったところ、接着依存性に細胞増殖だけでなくアポトーシスも抑制されることを見いだした。アポトーシス抑制の機序の検討を行い、BCL-2の発現が接着依存性に亢進する事を見いだした。このことからBCL-2がEMDR制御因子として関わっている可能性が示唆され。これに基づきBCL-2阻害薬であるABT-737によるEMDR解除の可能性を検討したところ、ABT-737添加によりMS-5共培養下でのイマチニブ感受性の回復を認めた。 また接着依存性にBCR-ABLのタンパク量が増加しており、さらにRNA合成阻害剤であるアマチニン添加によりBCR-ABLmRNA低下が押さえられて事を見いだした。このことからBCR-ABLmRNA分解が抑制されており、EMDRの原因の一つと考えられた。現在BCR-ABLmRNA転写後の制御目機序について検討している。
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