2010 Fiscal Year Annual Research Report
慢性骨髄性白血病幹細胞の解明と新規分子標的治療剤の基礎研究
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22790908
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
南 陽介 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (60513752)
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Keywords | 白血病 / 幹細胞 / キナーゼ阻害剤 / BCR-ABL / mTOR阻害剤 |
Research Abstract |
白血病幹細胞(leukemia stem cells; LSCs)が、正常細胞に類似した分化過程を経て多彩な腫瘍組織を生み出すこと、従来の治療法に対して耐性であることが示されつつある。BCR-ABL陽性(Ph^+)白血病に対して、ABLキナーゼ阻害剤イマチニブが優れた効果を示しているが、治癒の為にはLSCsを適切に同定し、それらを標的とした治療が必要であると考えられている。 今回、免疫不全マウスへ異種移植したPh^+白血病細胞をモデルに、その残存メカニズムと克服治療について検討した。Ex vivoでのイマチニブ処理実験では、CD34+38-分画でより残存傾向を示した。この分画ではBCR-ABLのリン酸化は抑制されていたが、静止期細胞が多く、これが耐性に関わる可能性が示された。PI3K-AKT-mTORシグナルは幹細胞の生存・維持に重要であることが報告されており、mTOR阻害剤(エベロリムス)の併用はex vivoおよびin vivoにおいて有意に白血病の増殖を抑制することを示した。標準阻害剤キット(化学療法基盤支援班より供与)を用いた、ストローマ共培養BCR-ABL陽性(Ph^+)白血病ex vivo系における薬剤スクリーニングにおいても、PI3K/AKT/mTORシグナル経路に対する阻害剤が複数ヒットした。また、次世代PI3K-mTORシグナル阻害剤BEZ-235についても、静止期分画を含めた細胞死誘導効果について、検討を行った。
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Research Products
(8 results)