2010 Fiscal Year Annual Research Report
先天性赤芽球癆の原因遺伝子によるオートファジー活性化の解析
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22790922
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
倉光 球 国立感染症研究所, 血液・安全性研究部, 研究員 (00566383)
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Keywords | 赤芽球分化 / リボソーム / オートファジー |
Research Abstract |
先天性赤芽球癆(Diamond-Blackfan anemia(DBA))は、近年その原因としてリボソームタンパク質遺伝子の変異が発見され、リボソームストレスが貧血の根幹にあることが明らかになった。申請者はこれまで原因遺伝子の1つのRPS19を発現抑制するin vitro培養モデルを構築し、赤芽球前駆細胞で細胞周期が停止することを発見してきた(2008)。また、最近ではRPS19の発現抑制でオートファジーが誘導される知見を得た。本研究では、DBAにおけるリボソームストレスに伴うオートファジーの活性化およびオートファジー誘導と赤芽球分化の関係について詳細に解析することを目的とした。 U2OS細胞やK562細胞でRPS19を発現抑制するとLC3陽性小胞数の増加、II型LC3の発現増加が認められた。またU2OS細胞で電子顕微鏡レベルにおいてもオートファゴソームを調べたところ、オートファゴソームの発達が認められた。さらにPrimary骨髄造血幹細胞においてもRPS19の発現抑制によりLC3陽性小胞数が増加することが明らかにし、RPS19の発現抑制は、細胞にオートファジーを活性化することを示した。 このことから、リボソームストレスとオートファジーが密接に関わり、赤芽球分化異常へ関与する可能性が考えられた。すなわち先天性赤芽球癆の原因の一つとしてリボソーム異常がオートファジーを活性化し、赤芽球前駆細胞の分子の均衡に異常を来し、分化機能を喪失させると考えられる。
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Research Products
(4 results)