2010 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚悪性腫瘍におけるKeap1-Nrf2システム異常の検討
Project/Area Number |
22791053
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
古田 淳一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30436274)
|
Keywords | 癌 / Keap1 / Nrf2 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
酸化-抗酸化のホメオスタシス維持に中心的に働くKeap1-Nrf2システムの亢進は,発がんに防御的に働く一方でがん化した後には促進的に働く逆説的な役割を果たしている。悪性黒色腫,扁平上皮がんを中心とする皮膚悪性腫瘍における本システムの異常を,Keap1とNrf2遺伝子の変異,欠失,DNAメチル化異常に特に着目して検索するのが本研究の目的である。本年度は,悪性黒色腫と扁平上皮がんの手術材料からのDNA抽出を進めた。腫瘍組織は,20μmに薄切しスライドガラスにマウントし脱パラフィンした後に,実体顕微鏡観察下に5μm厚HE染色標本を参照しながら,注射針を用いて腫瘍組織が大部分を占めるように掻き取った。掻き取った組織から市販のDNA抽出キットを用いてDNAを抽出した。濃度を定量した後,解析まで-20℃で保存した。悪性黒色腫と扁平上皮がんあわせて40例を超えるDNAを抽出することが出来た。さらにメチル化状態評価の前準備としてのバイサルファイト処理も行った。バイサルファイト処理によりメチル化シトシンはシトシンのまま保存される一方,非メチル化シトシンはウラシルに変換され,PCRを経てチミンになる。これによりメチル化状態がシトシンないしチミンという塩基の違いに変換され,PCRやシークエンスによってメチル化状態が調べられるようになる。これらの検体は今後の網羅的検索に備えて冷蔵ないし冷凍保存されている。今後の検討に向けて,KEAP1およびNRF2のKEAP1結合部位の体細胞変異,KEAP1座位のLOH,KEAP1プロモーター領域CpGアイランドのDNAメチル化状態を評価するための条件検討も進めた。
|
Research Products
(1 results)