2013 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚悪性腫瘍におけるKeap1-Nrf2システム異常の検討
Project/Area Number |
22791053
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
古田 淳一 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30436274)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 癌 / Keap1 / Nrf2 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
【目的】 ほ乳類における酸化-抗酸化(レドックス)のホメオスタシス維持にはKeap1-Nrf2システムがその中心的役割を果たしている。一方で,本システムの亢進は発がんには防御的に働くものの,ひとたび細胞ががん化した後には促進的に働く,という逆説的な役割を果たしている。悪性黒色腫,扁平上皮がんを中心とする皮膚悪性腫瘍において,がんの進展にも深く関与している抗酸化機構Keap1-Nrf2システムの異常を,すなわち変異,欠失,DNAメチル化異常に特に着目して検索した。 【本年度の結果】 これまでに臨床手術材料を収集してDNAを抽出し、メチル化解析のためにバイサルファイト処理を施して保存した症例数は、悪性黒色腫18例、有棘細胞癌25例、基底細胞癌23例、血管肉腫や隆起性皮膚線維肉腫などその他の皮膚がん6例の併せて72例になった。Keap1とNrf2に関してすでに報告されている方法でLOHと変異解析をおこなったところ、LOHは0/72とまったく見られず、突然変異についても1/72(悪性黒色腫は0/18、有棘細胞癌は1/25、基底細胞癌は0/23、その他の皮膚がんは0/6)と極めて低率であった。次いで、欠失と変異と並ぶ癌抑制遺伝子不活化機構であるプロモーター領域CpGアイランドのメチル化状態をNrf2について解析した。過剰メチル化は4/72(6%)(悪性黒色腫は1/18、有棘細胞癌は3/25、基底細胞癌は0/23、その他の皮膚がんは0/6)で見られた。MSP法ではPCR産物を示すバンドの濃さで半定量的にメチル化状態を観察できるが、得られた過剰メチル化のバンドは非メチル化のそれと比べて弱く、部分的なメチル化にとどまり発現をシャットオフするには至っていないと考えた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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