2011 Fiscal Year Annual Research Report
放射線照射による宿主の免疫応答を利用した治療法の開発
Project/Area Number |
22791169
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石川 仁 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70344918)
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Keywords | 抗腫瘍免疫 / 放射線治療 / サイトカイン |
Research Abstract |
(1)マウスにB16悪性黒色腫細胞の増殖曲線および放射線照射後のTCD50についての検討TCD50は40Gyであった。 (2)移植腫瘍照射後の血清および脾細胞培養液中サイトカインの動向 0-50Gy照射10日目、照射28日目のTNF-α,INF-γ,GM-CSF値血清、脾細胞培養液はいずれも照射群で上昇し、0-30Gyでは線量依存性に上昇が認められた。 (3)TCD50照射後のサイトカイン値と局所コントロールとの関係 TCD50の線量を10匹に照射し、照射28日目に摘出した脾細胞培養液中のGM-CSF, IFN-γ,とTNF-αを測定した。 局所制御できたマウスでのそれぞれのサイトカイン値は37.8±10.1 pg/ml,5.4±6.9 pg/ml,and 21.2±6.6 pg/mlであったのに対し、局所不制御群では23.7±13.0 pg/ml,0.6±0.6pg/ml,and 13.1±5.6 pg/mlと低値であった。血清サイトカインの値も同様の結果であったことから、照射によるサイトカインの誘導が抗腫瘍免疫活性に有利に機能している可能性が示唆された。 以上については現在論文作成中であり、国際学会発表予定である。 (4)転移性乳がん症例に対する定位照射前後の血清サイトカインを測定し、予後にどのような影響を有するかについて検討した。測定した12種類のサイトカインでGM-CSFおよびIFN-γ値が照射後に上昇した症例で、照射後再発期間を延長することが示された。 また、これらの患者血清には乳癌細胞に対するIgG抗体誘導が認められ、IgG抗体の発現とサイトカイン値には相関が認められた。
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Research Products
(6 results)