2012 Fiscal Year Annual Research Report
移植用臓器高圧乾燥保存法の確立およびその機序の解明に関する研究
Project/Area Number |
22791266
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
畑山 直之 東京医科大学, 医学部, 助教 (80534792)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 臓器保存 / 移植・再生医療 / 高圧 |
Research Abstract |
平成24年度は、移植用臓器高圧乾燥保存法の確立およびその機序の解明のために、①ラット心臓を用いてCOとO2の混合ガスによる高圧保存法の条件検討を行った。また同様の保存法にて保存した②ラット後肢の機能的評価を行った。 具体的内容;①保存条件を3つの項目「(a) 湿度の保持が必要かどうか、(b)保存ガスに圧力が必要かどうか、(c)保存液に浸漬する必要があるかどうか」に振り分け、ラットの心臓を48時間保存後、頸部異所性心移植にて評価した。その結果、COとO2の混合ガスによる保存においては、湿度を保持し、保存ガスに圧力を加えて、保存液からガス中に臓器を曝露することが重要であることを見出した。②COとO2を用いた高圧保存法を用いて1週間保存したラット後肢を他家移植し、生着に成功した。移植から90日後のラット後肢を画像診断的、電気生理学的、組織学的/評価をそれぞれ行った。Control(保存せずに離断後即移植)と比較したところ、1週間保存群では筋の委縮は見られたが、神経伝達速度による評価では、遠心性・求心性ともに有意差はなかった。 意義・重要性;①COとO2の混合ガスを用いた保存法においては、臓器を保存液に浸漬せずにガスに直接曝露することがガスの保存効果を最も引き出すことが示唆された。この結果は、COとO2の混合ガスを用いた保存法が臨床応用へ発展する上で、重要な学術的基盤になると考えられる。②現在、動物実験や臨床における切断指の保存限界時間は24時間、前腕部など筋を多く含む肢においては6時間が一般的である。COとO2を用いた高圧保存法を用いてラット後肢を1週間保存できたことは、非常に大きな進歩であると思われる。また、心臓だけでなく、四肢においてもCOとO2を用いた高圧保存法が有効であったことは、この保存法の汎用性を示している。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)