2010 Fiscal Year Annual Research Report
q-spaceイメージングによる脊髄損傷メカニズムの解明
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22791401
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤吉 兼浩 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80365303)
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Keywords | 脊髄損傷 / MRI / コモンマーモセット / 髄鞘 / 脱髄 / 再髄鞘化 / 神経幹細胞移植 / q-spaceイメージング |
Research Abstract |
H22年度に掲げた研究目的、研究実施計画は本研究資金のおかげで100%遂行することができた。具体的には(1)髄鞘形成不全mutantマウスを用いたMyelin mapの精度検証と、(2)コモンマーモセット化学的脊髄損傷における脱髄と再髄鞘化の検証を行い、予想した結果を得た。 (1)全身麻酔下にshivererマウス(MBP mutant)とjinpyマウス(PLP mutant)の頚胸髄をdisect outし、7.OTesla MRIにて固定した脊髄のq-space imaging(QSI)およびdiffusion MRI(DTT,DTI)を撮像した。至適なb-valueと拡散時間を算出し、最適化すること(髄鞘を可視化すること)に成功した。MRI撮像後に組織切片を作成し、Hematoxylin Eosin(HE)染色、Luxol Fast Blue(LFB)染色を行い、MR画像における髄鞘面積と組織における髄鞘面積をAmira(software)で解析し、強い相関があることを確認した。 (2)成体common marmosetの第5頚椎高位に、lysophatidylcholineをinjectionし、化学的脊髄損傷モデルを作成した。損傷モデルの作製およびMRIの撮像は全身麻酔下に行った。各time point(損傷前、損傷後2週、4週、10週)においてQSIとDTI,DTTを撮像した。還流固定後に凍結切片を作製しLFB染色、HE染色で組織学的評価を行った。また電子顕微鏡にて損傷後2週における脱髄と、損傷後10週における再髄鞘化を確認した。組織とQSIを徹底的に比較検討し、QSIを応用したわれわれ独自の髄鞘の可視化法"Myelin map"が同一動物において脱髄と再髄鞘化を評価できることを証明した。 以上の(1)、(2)の結果より、われわれは世界で初めての髄鞘の可視化法の開発に成功し、これを"Myelinmap"と命名した。
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