2011 Fiscal Year Annual Research Report
嚢胞状卵胞の形成メカニズム:単一卵胞培養系を用いた解析
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22791555
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
奥津 由記 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (00509903)
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Keywords | 多嚢胞性卵巣 / 卵胞培養 / 生殖医学 / アンドロゲン |
Research Abstract |
アンドロゲンとしてDHEA、testosterone、androstenedioneの3種を7,10,15,20日間連日投与しモデルラットを作成した。アンドロゲン投与により性周期は停止し、卵巣組織は嚢胞状に変化することが判明した。アンドロゲン投与終了後は性周期および卵巣組織形態は自然に回復した。この結果と従来の報告から卵胞の嚢胞形成機構は「アンドロゲンの直接作用による卵子の変性→卵子からの黄体化抑制因子分泌の低下→顆粒膜細胞の早期黄体化→顆粒膜細胞のアポトーシス」からなるという仮説をたてた。この仮説の検証方法に一つとして、卵胞培養系を作成した。2週齢マウスの卵胞を用いて100~150μmの二次卵胞をターゲットとし、oil freeの96穴シャーレを用いた培養系を確立した。2日ごとに交換回収した培養液のestradiol値は培養期間と共に上昇したがprogesterone値は不変であった。胞状卵胞まで発育させた後、排卵刺激し成熟卵を得た。卵胞生存率は90%以上、卵子成熟率は80%以上であり、この卵胞培養系を用いてアンドロゲン添加実験を行なった。アンドロゲン添加により濃度依存的に生存率と成熟率が低下した。アンドロゲン添加により卵胞形態の様々な変化と卵細胞の変形が認められた。卵子由来のGDF-9発現量はアンドロゲン投与により卵胞初期で低下、胞状卵胞以降で急激に増加した。卵細胞のクロマチンの集合形態もアンドロゲンにより変化することが判明した。また電子顕微鏡により顆粒膜細胞の細胞内小器官の黄体化に似た変化をしていることが確認された。卵胞培養系において卵胞の嚢胞状変化は観察されなかったが、卵胞を構成している顆粒膜細胞は黄体化している可能性が示された。
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Research Products
(1 results)