2012 Fiscal Year Annual Research Report
骨細胞・骨細管系による破骨細胞性骨吸収と骨細胞の生存・死滅の調節機構
Project/Area Number |
22791760
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 礼子 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 専門研究員 (90333723)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 骨細胞 / 細胞・組織学 / 骨 / 破壊細胞 / 歯学 |
Research Abstract |
これまでに、破骨細胞形成と骨吸収活性は前骨芽細胞とのcell-to-cell contact (RANK/RANKLシグナル)を介して誘導されることが知られてきた。しかし、破骨細胞が具体的にどの骨基質を吸収するか、またその深さや領域などについては、前骨芽細胞や骨芽細胞では調節することができないことから、申請者は、骨基質内部で細胞性ネットワークを形成する骨細胞・骨細管系が破骨細胞や骨改造に影響を及ぼす可能性が高いと考えて、組織化学的な検索を行った。特に、DMP-1やsclerostin等の骨代謝の調節に関与する蛋白質の局在について、免疫組織化学的手法を用いて検索するとともに、その場の破骨細胞による骨吸収や骨改造について組織化学的・微細構造学的に解析を行った。その結果、骨改造が亢進している部位あるいはモデリングで骨形成が誘導されている部位の骨細胞・骨細管においてはDMP-1の発現・産生は充分に認められるが、骨芽細胞の抑制因子と考えられているsclerostin産生は抑制されていた。一方、骨改造が緩やかに進む皮質骨などの緻密骨ではsclerostin産生は亢進しており、骨表面上には細胞体が扁平となった非活性型の骨芽細胞、すなわちbone lining cellを観察した。さらに、骨細胞が周囲の骨基質を溶解または骨基質を沈着するか否かについて、副甲状腺ホルモン(PTH)投与を行うと、骨細胞周囲の骨小腔壁が広がり、また、小腔壁には石灰化基質の断片やコラーゲン線維の断片と思われる構造を観察した。以上の解析は、骨細胞が積極的に、骨表面上の骨芽細胞、破骨細胞そして骨改造に影響を与えていることを強く示唆しており、また、骨細胞はその周囲の骨基質の沈着や溶解をある微細環境下で行い得ることを意味していると推察された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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