2012 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部扁平上皮癌におけるDKK遺伝子ファミリーの機能解析
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22791766
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
片瀬 直樹 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30566071)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 頭頸部扁平上皮癌 / 遺伝子解析 / 癌抑制遺伝子 / Dickkopf(DKK)3 / 機能解析 / 生存分析 |
Research Abstract |
【目的】頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)の発生に関わる癌関連遺伝子の異常の詳細については不明な点が多い。申請者はこれまでにHNSCCの発生や進展に重要な癌関連遺伝子候補としてDKK遺伝子ファミリーを同定、特にDKK3に着目してタンパク発現と臨床データとの相関を検討するなど解析を進めてきた。本年度は細胞株を用いた機能解析を中心に行い、DKK3の機能について検討した。 【結果】 HNSCC、胃癌、大腸癌由来細胞株を用いて、RT-PCRによりDKK3のmRNA発現を定量的に検討した。DKK3発現はこれまでの報告通り胃癌や大腸癌、前立腺癌由来細胞株にはDKK3発現は認められなかったが、HNSCC由来細胞株はすべてDKK3を発現していた。そこで、DKK3高発現を示すHNSCC由来細胞株にsiRNAを導入してDKK3発現を抑制したところ、細胞増殖には影響がなかったが、細胞の遊走性や浸潤性は有意に減少した。DKK3関連因子の発現をWestern blottingで 検討したところ、DKK3のノックダウンはWNTシグナルには影響を与えないことが示唆された。これらの詳細については平成24年度の日本病理学会総会、日本臨床口腔病理学会で発表したほか、国際英文誌 Oncology Reportsに発表した。 【考察】 本研究で得られたデータは、申請者の「HNSCCではDKK3が腫瘍の進展を促進する可能性がある」とする仮説を強く支持している。しかし、DKK3とWNTシグナルとの関連性がない可能性も示されている。DKK3がどのようなメカニズムで浸潤性に関与するかかを明らかにするため、今後はシグナル間の相互作用についても幅広く検討する必要があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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