2011 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄炎の病態形成におけるAlarmin放出・産生機構の解明
Project/Area Number |
22791838
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高橋 加奈子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80403715)
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Keywords | 歯髄炎 / 免疫応答 / 感染症 / 自然免疫 / Alarmin |
Research Abstract |
本研究では歯髄炎におけるAlarminsの産生・放出機構を解明することを目的とし、歯髄炎発症時の生体防御機構において細菌性因子と宿主側(歯髄細胞)との相互作用の見地より解析しようとするものであり、まず第一に各PRR特異的リガンド(TLR-2; Pam3CSK4,TLR-4; E.coli LPS)あるいは炎症性サイトカイン(IL-1β,TNF-α,IFN-γ)またはStreptococcus mutansによる刺激を受けた歯髄細胞におけるAlarmins (HMGB1,HSP60,HSP70)の産生・放出をWestern blot法にて解析した。その結果、各刺激物質により刺激後24時間で培養上清中にHMGB1の放出が認められた。また、このHMGB1の放出はカテキンの一種であるepigallocatechin-3-gallate (EGCG)の添加により抑制された。また、上記刺激後24時間で細胞内タンパクレベルにおいてHSP60およびHSP70の産生上昇が認められたが、HMGB1と同様にカテキンの添加によりそれらの産生は抑制された。さらにHMGB1の遺伝子レベルでの発現をRT-PCRにて解析したところ、各刺激物質によるHMGB1mRNAの発現は無刺激の状態と変わらず、恒常的であった。さらにStreptococcus intedmedius由来タンパクであるHistone-like protein (HLP)、E.coliおよびPorphilomonas gingivalis由来のLPSを用いて単芽球細胞株であるTHP-1細胞を刺激したところ、S.intermedius HLP刺激によりHMGB1が培養上清中に放出される傾向が認められた。またこれらのHLPあるいはLPS刺激による培養上清中へのHSP60およびHSP70の放出は認められなかった。
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Research Products
(5 results)