2011 Fiscal Year Annual Research Report
各種歯科用合金に対する金属接着用プライマーの接着促進効果について
Project/Area Number |
22791906
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
石井 隆哉 順天堂大学, 医学部, 助教 (50548930)
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Keywords | 歯科 / 補綴 / 接着 / 貴金属合金 / 機能性モノマー |
Research Abstract |
近年、歯冠補綴装置には種々の金属材料が使用されている。なかでも金合金に代表される貴金属合金は、その構成成分に金を含有していることから、操作性と適合精度が良好で、化学的安定性にも優れ、鋳造補綴用材料としての選択頻度が高い。しかしながら、その接着耐久性については、問題を残しているのが現状である。本研究では歯科用貴金属合金として用いられている金合金に着目し、その構成純金属に対し、表面処理法、金属の組合せについて検討を行うことで、金合金の接着耐久性の向上、口腔内で長期に及び機能できる接着システムの確立を目的とした。 接着試験の金属試料として、金銀パラジウム合金(Ag-Pd-Cu-Au)、純銀(Ag)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、金(Au)を用いた。表面処理材として、その成分に硫黄化合物を含むアロイプライマー(AP)、メタルタイト(MT)、MLプライマー(ML)、V-プライマー(VP)、酸性モノマーを含むオールボンド2(BP)、エステニアオペークプライマー(EP)、スーパーボンドモノマー液(SB)の7種類を使用した。装着材料として、スーパーボンドC&Bポリマー、トリ-n-ブチルホウ素重合開始型アクリルレジンおよびメタクリル酸メチルを使用しMMA-TBBレジンとした。被着体である金属試料は、直径10.0mm×厚さ3.0mmとし、耐水研磨紙で研磨後、被着面に有孔両面テープ(孔径5.0mm)を貼付して被着面積を規定した。各種表面処理材の塗布後、被着面上にステンレス鋼製リングを固定し、装着材料を筆積み法にてリング内に充填した。半数に対して24時間保管後剪断試験を行った(TO)。残りの半数に対して5℃と55℃の各1分間の水中熱サイクル20,000回負荷後に剪断試験を行った(TC)。TCにおける剪断接着強さは、Ag-Pd-Cu-Au、Ag、Cuでは、MTが最も高く、Pd、Auでは、MLが最も高かった。これらの結果から、硫黄化合物を含む機能性モノマーの金銀パラジウム合金とその構成金属に対しての有効性が示唆された。
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