2011 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌転移モデルに対する磁場誘導組織内温熱免疫療法
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22791971
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 憲幸 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (60378156)
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Keywords | 温熱療法 / 免疫療法 / 口腔癌 / 扁平上皮癌 / 磁性微粒子 / 樹上細胞 / マイルド加温 |
Research Abstract |
口腔扁平上皮癌は集学的治療によってその治療成績は向上しているものの、局所再発、遠隔転移をきたした場合その予後は極めて不良である。われわれは、これまでに磁場誘導組織内温熱療法と免疫細胞療法の基礎研究を行なってきた。免疫原性が高い腫瘍などに関しては、未熟樹上細胞と腫瘍細胞を共培養することによって樹上細胞が成熟し抗腫瘍効果を確認した。しかし、免疫原性が低い腫瘍では樹上細胞の成熟を確認できず抗腫瘍効果は認めなかった。そこで、腫瘍細胞と未熟樹上細胞を共培養後にマイルド加温(41度程度)で加温することにより樹上細胞の成熟化を確認し免疫原性が低い腫瘍においても抗腫瘍効果を確認した。これまでの結果をふまえて、マウス扁平上皮癌細胞株SCCVII担癌マウス転移モデルを作成し、マイルドな追加加温の効果を検討したところ、腫瘍の増殖抑制と生存率の上昇傾向が認められた。また、転移巣に関しても増殖抑制傾向を確認した。免疫組織化学的に検索したところ、1:投与した未熟樹上細胞は治療側において、所属リンパ節へ移行していることを確認した。2:治療側の腫瘍においてコントロールと比較し優位に細胞障害性T細胞(CTL)の浸潤が確認された。また、転移巣においてもコントロールと比較し優位にCTLの浸潤を認めた。これらのことより免疫原性の低い腫瘍において、局所の温熱療法と免疫細胞療法にマイルド加温を追加することにより免疫活性を高め転移巣にも治療効果があることを確認した。
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