2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラット顎骨における硬組織局所的損傷時における歯の移動促進効果の解析
Project/Area Number |
22792034
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西村 真 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50375094)
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Keywords | 顎変形症 / 歯の移動促進 / 矯正 / 骨損傷 / RAP |
Research Abstract |
硬組織の局所的な外科的損傷により歯の移動が促進されるという仮説を検証するための予備実験として、ラットの骨損傷部位を検討した。骨損傷部位として、上顎の歯の移動を行うことを予定しているため、移動する歯により近り硬組織として頬骨に外科的損傷与えることを考えていたが、頬骨へのアプローチは手技的に非常に困難であることが予備実験から分かった。そのため、より骨損傷を与えやすく、移動する歯になるべく近い硬組織として頭頂骨を選択し、ラット頭頂部を切開し、頭皮および骨膜を剥離後、骨面を露出させ、頭頂骨に約1.5mmのホール状の骨欠損を与え、骨損傷モデルを作製した。また、ラット歯の移動モデルとして、五十嵐らの報告(Igarahi Kら(1994))で報告されている装置を当初考えていたが、装置が脱落しやすく、また、頬側への歯の移動では頬側の歯槽骨が喪失して組織学的な検索に不向きであることが分った。そのため、ラット第一臼歯の頬側へ0.012-inchのニッケルチタン系ワイヤーで作製した矯正装置を装着したところ、頬側への歯の移動よりも口蓋側へ歯の移動を行う方が組織的な評価を行う際に優れていることや装置の脱離がほとんどないことが予備実験より明らかとなった。また、装置装着後、ラットの体重変化に著しい変化は認められなかった。
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