2011 Fiscal Year Annual Research Report
歯の喪失防止に関わる健康行動‐都市部と農村部の比較‐
Project/Area Number |
22792124
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
杉浦 剛 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (50382627)
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Keywords | 口腔保健学 / 歯の喪失防止 / 健康行動 / 質問票調査 / QOL |
Research Abstract |
本研究では、岩手県における歯の喪失防止に関わる健康行動を分析し、都市部と農村部の間で比較することで「歯の喪失防止」に関する地域差の是正に向けた資料の作成を行うことを目的とした。 調査対象者は平成23年2月時点で盛岡市および八幡平市在住の55~64歳の男女各300名ずつ(計1200名)を住民基本台帳から系統抽出した。平成22年度の予備調査で作成した質問票に居住地、職業、最終学歴、世帯年収に関する項目を追加し、本研究の質問票とした。前述の調査対象者に対し、作成した質問票を用いた郵送法による調査を行った。 599名から回答の返送があった。19名はあて先の住所に受取人が居住していなかったため、郵送物を返還された。599名の回答のうち、有効回答は男性248名、女性283名、計531名(平均年齢60.2±2.6)であった。 盛岡市と八幡平市を比較したところ、盛岡市の方が歯の喪失防止に関わる保健行動をとっている者の割合が有意に高かった。また、「自分は年をとれば歯を失うものだと思う」「定期的に歯科医院で歯石をとれば自分の歯を残せると思う」「定期的に歯科医院で歯磨き指導を受ければ自分の歯を残せると思う」の3つの質問項目は「そう思う」と回答する割合が盛岡市よりも八幡平市が有意に高いという結果が得られた。これらの結果から、保健行動の地域差が存在することが明らかとなったが、歯の喪失防止に関わる意識の差と保健行動の差との関連を明らかにすることはできなかった。 また、追加研究として、岩手県在住の30~59歳で1年に一回以上定期的に歯科を受診している者を対象にWeb調査を行った。得られたデータに対し3年以上定期歯科受診を継続している者と定期歯科受診の継続期間が3年未満の者とを比較した。その結果、3年以上定期歯科受診を継続している者は受診頻度が6ヶ月に1度で、受診の目的に歯石除去を上げている者が多かった。
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