2011 Fiscal Year Annual Research Report
人工口腔システムを用いた高齢者の齲蝕予防研究:歯根面齲蝕発生機序の解明
Project/Area Number |
22792129
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
鴨田 剛司 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (00366767)
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Keywords | 人工口腔 / 歯根面齲蝕 |
Research Abstract |
ヒトの口腔内環境を再現した人工口腔システムを用いて,歯根面齲蝕予防における評価法の有用性を検討した. 人工口腔容器は透明色のポリカーボネート樹脂で作製する.周囲を恒温チャンバーで取り囲み,人工口腔内部を37℃に維持する.人工口腔の上部にはステンレスチューブ,温度計を取り付ける.ステンレスチューブから実験溶液,細菌懸濁液,培地をローラーポンプによって滴下する.細菌懸濁液は冷却撹拌器で低温を維持する.人工口腔内部にテフロン製ホルダーを装着する.ホルダーにはヒト象牙質を固定する.細菌懸濁液滴下によりバイオフィルムを作製し,その後実験溶液を滴下する.ヒト抜去歯牙をエポキシ樹脂にて包埋し,ダイヤモンド切削器具を用いて歯根面を切り出し,方形な切片とし,耐水ペーパー,ラッピングフィルムを用いて段階的に研摩し,平滑な象牙質表面とする.菌体にはStreptococcus mutans MT8148株を用いる.Brain heart infusion細菌液体培地にて37℃,24時間培養後,菌数を分光光度計で測定し,等張リン酸緩衝液にて濃度を調整,細菌懸濁液とする.Heart infusio液体培地にスクロースを含有させ実験溶液とする.滴下終了後,形成された人工バイオフィルムを取り外し,濁度を測定し菌体量とする.またビッカース微小硬度計を用いて実験前後の象牙質表面の微小硬度変化を測定する.さらに共焦点レーザー顕微鏡を用いて実験前後の象牙質表面の形状変化を観察する.以上の結果から,本実験系による歯根面齲蝕予防の評価法としての有用性を考察した.
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