2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22792141
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永谷 幸子 名古屋大学, 医学部, 助教 (90452200)
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Keywords | 早期離床 / 起立性低血圧 / 循環動態 / 加速度 |
Research Abstract |
体位を仰臥位から立位へ移行させることは日常生活を営む上で基本となる動作である。しかしながら、手術後や長期臥床状態にあった患者、高齢者などが、仰臥位から坐位および立位をとると、循環動態の変動(主に起立性低血圧)を引き起こしやすいことが知られており、これは患者の離床を妨げ活動範囲を縮小する要因の一つとなっている。本研究は、仰臥位から立位にいたる一連の動作と、循環動態指標との関係を明らかにし、安全な離床援助方法について検討することを目的としている。平成22年度は、国内外過去10年間の先行研究の検討を行った。キーワードは「離床」「立位」「起立性低血圧」とした。その結果、受動的に離床した場合と能動的に行った場合を比較したものや、坐位から立位までの姿勢の変化などの限られた動きについて検討した研究が多いことが明らかとなった。先行研究の検討に加えて、看護師5名から離床援助の実施方法、援助時に困難に感じていること、実施時に予測する有害事象の内容などについて聞き取り調査を実施した。以上の結果を踏まえて健康な成人(30歳代女性)を対象にプレテストを実施した。測定項目は、酸素化ヘモグロビン変化量および脱酸素化ヘモグロビン変化量(赤外線酸素モニタ装置を用い前額部で測定)、心拍数、血圧とした。仰臥位から立位への姿勢の変化は3軸加速度計を用いて測定した。仰臥位から立位へ姿勢を変化させると、脱酸素化ヘモグロビンは増加し酸素化ヘモグロビンは減少する傾向が確認された。次年度は被験者数を増やし詳細な分析を行うこととする。
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