2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22792151
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
遠藤 良仁 岩手県立大学, 看護学部, 助教 (00438087)
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Keywords | 研究成果の活用 / 看護師 / Evidence-based Practice / 阻害要因 / 促進要因 |
Research Abstract |
最終年度の目標は、既に知られている看護師の研究成果活用の阻害要因と初年度の調査によって抽出された阻害要因を定量的に調査し、背景要因との関連性を明らかにすることであった。平成24年3月に郵送法による質問紙調査を実施した。調査内容は、(1)臨床経験年数、(2)看護の学歴、(3)日頃の学習状況(一ヶ月に読む専門誌数、インターネットを用いた情報検索)、(4)日頃の実践内容の根拠に疑問を持つ経験と(5)その対処方法、(6)研究成果活用に関する阻害要因36項目(尺度全体の信頼性を表すCronbachのαは.851)等であった。結果、協力が得られたのは東北地方の1病院のみであった。86名にアンケートを配付し、22名が回答した(回収率25.6%)。結果、(1)平均臨床経験年数は1907年(SD9.3)であった。(2)看護の学歴で最も多かったのは看護師養成所3年課程54.5%であった。(3)インターネットの利用は月平均2.3回、講読した専門誌数は月平均1.3冊などであった。(4)日頃の実践に対して90.9%の看護師が疑問を持つ経験を有していた。(5)対処法としては「自分で調べる」68.2%、「誰かに質問する」31.8%で、全員が何らかの方法で疑問を解決しようとしていた。(6)看護師が研究成果を実践に活用する際に7割以上の看護職が障害と認識していた項目は(a)「外国語論文は、理解できない」90.9%、(b)「関心のあるテーマについて現在どのような研究がなされているか情報収集が不足している」81.8%、(c)「研究に対する苦手意識やマイナスイメージがある」、(d)「論文を読む時間が無い」77.3%であった。項目間の関連では、日頃の実践で疑問を持つ頻度が多い者ほど(b)の認識が強く(p=0.048)、疑問を「誰かに質問する」者ほど(c)の認識が強かった(p=0.031)。以上から、研究成果の実践活用を促進するためには、実践活用可能な研究成果のレビュー研究の推進と看護師個々の情報検索能力の向上が重要であると考える。
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Research Products
(1 results)