2011 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患患者を対象とした患者主体の自己管理アプローチの開発と予備的介入研究
Project/Area Number |
22792175
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 真琴 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50431763)
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Keywords | 看護 / 炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 |
Research Abstract |
本研究よ炎症性腸疾患(ID)患者および専門家とともに、患者主体の自己管理アプローチを開発し、小規模の予備的調査において、その実施可能性を評価するとともに、患者のQOL、自己効力感や疾患活動度への影響を評価することを目的に、以下を4年間で実施する計画を立てた, 1.IBD患者、専門医、慢性疾患看護専門看護師等へのインタビューの分析結果をもとに患者主体の自己管理アプローチで用いるガイドブック・自己管理手帳を作成する。 2.IBD患者、専門家、介入実施者へのヒアリングをもとに、作成したガイドブック・手帳を用いた自己管理支援プロトコールを作成する。 3.小規模介入研究の際に使用する評価尺度の信頼性・妥当性を検討する。 4.前後比較による小規模介入研究(対照群なし)を実施し、実施可能性、有用性を検討する。 平成23年度は、前年度に行ったインタビュー調査を受け、専門医へのインタビュー調査を引続き行い、その後、体調悪化時の対処に関する医師の認識、患者ニーズの現状を詳細に把握するためのアンケート調査を実施した。 患者調査では、潰瘍性大腸炎の悪化を認識する主要な症状、悪化した際に患者自身が行っている対処およびその有効性の認識を明らかにした。その結果、体調悪化を認識しながらも速やかに受診しない対象が多く、悪化した際に受診すべきかの判断に迷う、悪化時に受診前に使用できる薬の指示があると安心との認識を持っていることが明らかとなった。クローン病の結果については解析中である。 医師調査では、悪化時の対処として患者に薬剤の増量・追加指示を出すことの必要性の認識、指示の実際、服薬状況の確認等を調査している。現在は回収段階であり、今後解析してゆく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、インタビュー調査の後に自己管理支援プロトコールを作成する予定であったが、インタビューの結果、作成前に現状を詳細に把握する必要性が高いことがわかり、患者アンケート調査および医師アンケート調査の手順を追加した。したがって当初の予定よりやや遅れたが、これにより貴重な知見が得られ、本研究の臨床上め有用性も高まると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、IBD患者主体の自己管理アプローチを開発し、小規模予備的介入研究を実施し、臨床において今後実施可能な支援を検討することが目的ある。 当初は、日常生活全般についてのプロトコール作成を検討していたが、インタビュー調査、アンケート調査を経てまずは、潰瘍性大腸炎については服薬管理が最重要課題であるため、服薬アドヒアランスを高める支援、悪化時の対処指示に焦点を当て実施してゆく。
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