2010 Fiscal Year Annual Research Report
終末期看護の醍醐味―看護師のターミナルケアに携わる困難と魅力
Project/Area Number |
22792189
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福井 里美 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (20436885)
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Keywords | ターミナルケア / 緩和ケア / 終末期看護 / やりがい / 職業冥利 |
Research Abstract |
本研究の目的は、終末期ケアを担う看護師が経験している学びや人間的成長、やりがい等のプラスの側面の実態を明らかにすることである。従来は、終末期ケアの難しさ、つらさ、それゆえ医療者自身のケアも重要である、といった厳しさ、困難さのマイナス側面を多くの先行研究が報告してきた。一方、終末期ケアを担う看護師が経験している学びや人間的成長、やりがい等の職業冥利といえる側面については、事例研究のコメントや講演会等で語られるのみであった。本研究では、どんなやりがいを、どの程度共有されているか、そのプラスの側面に注目して、経験年数や研修機会による違いがあるのかといった実証をデータを得て、終末期看護に携わる看護師をエンパワメントし、後継者育成に資することが目的である。 平成22年度は初年度として、次年度以降に計画する大規模質問紙調査の前準備を行うことである。具体的には、より終末期看護の現場で活動している人々の実体験に即した質問項目を作成するため、日本の終末期ケア、終末期看護に携わる人々が経験しているプラス面を項目抽出すべく、文献検討と終末期看護のエキスパート11名に半構成的面接を行った。終末期看護のエキスパート11名の内訳は、がん看護専門看護師5名、緩和ケア認定看護師5名、がん性疼痛看護認定看護師1名で、看護師経験年数は平均19.0年(レンジ9~33)であった。平均面接時間74.8分(レンジ28~90分)であり、逐語録作成を終了した。平成23年度前半期において、内容分析を行い、文献検討結果と統合して、質問項目を作成予定である。
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